H-Project

某小中学校の新築プロジェクト

プール、武道場、体育館及びメディアセンターで構成されているボリュームのファサードデザインと構造の合理性の両立を図った。

樹状をイメージしたV型とY型の単純な幾何学の組み合わせで変化のある外観とし、生徒の活動が外ににじみ出るような開放感のある構成とした。

構造としては途中に柱のない大スパンを成立させる架構を合理的に計画した。

遺伝的アルゴリズムを用いた単目的最適化計算

Single-objective optimisation calculations using genetic algorithms

パラメーターをフレームの各層の固さのバランス(変形量の差が最小)とした場合、

→単純なラーメン構造に近づく

→思った以上に角度が開かない(意匠的にはもう少し角度が開いてほしい)


1、2階の固さが足りないことから部分的にブレースを入れることで角度を広げることを試みた。

→角度を開かせるには相当量の耐震壁またはブレースが必要となり、求める開放的な空間とならない。

遺伝的アルゴリズムを用いた単目的最適化計算

Single-objective optimisation calculations using genetic algorithms

パラメーターを、剛性率(固さのバランスの基準)は確保したままモーメントを最小限に(部材断面の最小化)

→ブレース(三角形)を多く設けようとすると角度が開きすぎる


硬さのバランスを考慮した場合の開き方とモーメントが最小となる開き方との中間程度の開き方が良いと想定し、

それぞれのパラメータを同時に最適化シミュレーションにかけることを試みた。

遺伝的アルゴリズムを用いた多目的最適化計算

Multi-objective optimisation calculations using genetic algorithms

モーメントの最小化と固さのバランスというトレードオフの関係から、

多目的最適化によるシミュレーションを行いトライ&エラーの結果複数案のパレート解を導いた。


それらの解の中からデザイン的および施工性を評価軸として最も適切な角度を決定した。